新入社員の時です、先輩営業マンの見積作成を手伝っていました。
ワープロ打ちした見積書は、最後にカバー表紙を付けて完成します。
私がホチキスでそれを留めていると先輩が言いました。
「おっ、さすが!いいねぇー、でもな・・・。」
見積書は、全く同じものを3部お客さんに提出でした。
先輩は見積書を一部ずつ重ねていきます。
「これは3部ともお客さんに渡すんだよな?なんでホチキスの位置が違うの?」
見ると、B5横の見積書にかけたカバーの厚紙、それを留めたホチキスの針の位置が微妙にズレています。
「お前はさぁ、これ渡されたら気持ちいいかい?」
「お前はさぁ、誰に言われるでもなくキチンと真っ直ぐにホチキスで留めていた。それは正しいと思う。」
「そうだよな?額面何百万円もする見積書だ。例えホチキス一つでも、いい加減に留めて欲しくはないよな。」
「だったら、3部共重ねてお客さんに渡す時にホチキスの位置がキチンと揃ってる、その方がもっと美しくないか?」
「お客さんはそこまでみていないかもしれない。でもさ、そういう気持ちって大事だと思わないか?」
好きな言葉があります。
「神はディティールに宿る」