【心の優しい人たちへ】愛をありがとう
数年前、愛知県豊橋市、豊橋駅前のエスカレーター。
いつものように街には、図体だけ大きくなった学生たちと、ナンパ目当ての黒人の大男たち、サラリーマンのおっちゃん。化粧の濃い女子高生。
駅へ向かうエスカレーター。
やはりいつものようにビラ配りや、ティッシュ配りのお姉さんたちがいる。
「今日はなんだ?消費者金融じゃぁなさそうだ。」
東南アジア系の若い女性たち。
一目で水商売とわかるそのいでたち。
エスカレーターの上下に人を配置して、これはどうも見て見ぬ振りは出来そうもない。
「いや、結構です。」とかわしながら昇りのエスカレーターに足をかける。
ところで、
私の少し前には、車椅子を押したおばちゃんが不安定に立っている。
と、そのとき。
「転んだ!」
冗談みたいだった。
押していたおばちゃんが、私の方に転げ落ちてくる。「助けてぇー!」おばちゃんが叫ぶ。靴は飛び、後ろ回りで。
「つかまれ!」
おばちゃんをつかまえるが、体格のいいおばちゃんはさらに転がろうとする。
体も引っかかり、転がる勢いはおさまりつつあったが、当の本人がパニックだ。立ち上がろうとするがさらに転ぶ。
「横を向いてっ!」
私が叫ぶ。
おばちゃんは止まるがエスカレーターは止まらない。
「車椅子は!?」
上を見上げると、かろうじて引っかかった様に止まった?
いや、そこにはさっきの東南アジアの女性たち。車椅子のおばぁちゃんは彼女たちの手で無事に、抱えるように支えられていた。
下を見る。
そこにも東南アジアの女性たち。
万が一、私がおばちゃんを支えきれなかったときの為に?いつでも受け止められるように準備してくれていた。
心ある人たちだ、嬉しかった。
そこにあったのは、暖かい思いやりの心とチームワーク。
彼女達にそっけない態度をとったことを後悔した。
ビラくらいもらってあげればよかった。
しかし、周りにいた男どもはなんだったんだ?
遠巻きに見て見ぬ振り。
日本男児は?いわゆる「男」は死滅したのか?
嬉しかった反面、悲しかった。
独り駅へ歩いた。
「ありがとう。」の笑顔だけを彼女たちに残して。
素敵な彼女たちの幸せを祈っています。
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